経済は実質資産の10倍の量で回っている

昨日友人とこんな話になった。

経済ってなんなんだろう・・・本来銀行って言うのはお金の流れを良くするためにあるんじゃないの??

お金がお金を産むというけれど、本質的にそんなことはあり得なくて、見かけの資産が増えているだけじゃないの??(下の言うとおり、信用でお金が増幅しているように見えているだけでは?)

ってことはあらゆる金融商品は企業が利潤を追求するための手段にすぎなくて、金融商品を買っている個人投資家をだましているにすぎないのではないのか

極論だとは思うけど、世の中よくよく考えてみたら・・・みたいなことがたくさんあると思う。
本質を見失わずにいたいものである。

http://www.atmarkit.co.jp/im/cits/serial/smb/40/02.html
ティータイム 〜簡単にいえば、金融の仕組みとはこういうこと〜

 金融の仕組みは、簡単にいえばこのようになっている。例えばある預金者が100万円をA銀行に預金したとする。これによりA銀行の預金残高は100万円増えるが、1割くらいを手元に残して90万円を貸し出しに回すこととする(なぜ1割くらいかというと、銀行には多数の預金者と多数の貸出先、融資先がある。1割くらいが手許にあれば、1人の預金者が預金を全額払い戻しに来たとしても、新しい融資先があっても、1件くらい貸出し先が回収不能になっても、実際には十分に対応できるため)。

 次に、B社がC社から機械を買うために、A銀行から90万円借りるとする。すると、まず90万円がB社の取引銀行であるA銀行のBの口座に振り込まれ、さらにC社の取引銀行であるD銀行のCの口座に振り込まれる。これにより、D銀行の預金残高は90万円増える。E銀行は9万円を手許に残し、81万円を次の貸し出しに回す──こんな流れが続くと、最初の100万円は結果的に1000万円のお金の動き(すなわち経済活動)を作り出すことにつながってゆく。つまり、100万円が1000万円分の“信用”を創造し、1000万円分の“経済活動”を作り出しているわけだ。これが「金融」の基本的な仕組みだ。

 ただし、これは預金者や銀行が「預けたお金や貸したお金は戻ってくる」という銀行や貸出先に対する信用に基づいて成り立っている仕組みである。この流れの中のどこかが少しでも破たんを来たすと、「信用の創造」とは逆向きの「信用の収縮」が起こる。皆が相手を信用できなくなり、「預けたお金や貸したお金が返してもらえなくなるのではないか」と疑心暗鬼になり、銀行は貸したお金の回収や貸し渋りに走り、預金者は払い戻しを求める。市中に出回るお金は減り、経済活動は停滞し、不景気となる。

 もし、すべての預金者がいっせいに預金の引き出しや、貸し出しの回収に掛かれば、銀行には預金の1割しか現金がないため、この仕組みそのものが破たんし大混乱に陥る。こんなことが懸念されるとき、A銀行には90万円、D銀行には81万円といったように、各銀行に第三者が一時立替用としてお金を注入すれば、引き出しや回収にも対応可能となる。その結果、疑心暗鬼は解消され、全体が落ち着いてくれば、注入したお金は必要なくなる。潰れなくてもよい銀行を潰さなくて済む。もともとの「公的資金注入」とはこういうことだ。

 また、銀行の持っている債権(貸し出し)が回収できなくなったり(不良債権化)、持っている株式などの資産が目減りすると、結果的に自己資本の比率が低下することとなる。そうなると、国際的な規制(自己資本比率が8%を割ると国際業務ができなくなり、4%を割ると銀行業務ができなくなる、というもの)によって銀行の存立ができなくなる。

 こんな懸念から銀行は貸し渋りや回収に走る。この貸し渋りや無理な回収を止めさせて、つぶれなくてもよい融資先を潰さないようにするため、銀行の資本を増強する目的に公的資金の投入がされるというわけだ。特に、最近はこうしたケースが多い。

──メーカーで仕事をしてきた私には、何とも危なっかしい仮想世界のようで、なかなかピンと来ないのですが、お金の世界はこんなことで回っているようです……。