情報の質

・ネットで情報収集は、実際の書籍を読むほど濃密な情報を手に入れることはできないため、ネットサーフィンで何時間も情報収集することは、時間の無駄である。
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20081118/p1
その記事に対する小飼弾の反論
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51141018.html

小飼弾はテキストブックという平易に書かれたいわばPublicな文章とテキストというややわかりにくいが文脈を読み取ることが要求されるPrivateな文章に関しての比較を行い、ブログなどのPrivateな(一見荒い)文章にもテキストとしての価値があるのだから、ブログなどで情報収集するのが時間の無駄とするのはおかしいとして反論している。

小飼弾の文章は確かにその反論に値するぐらいのすばらしいテキストを書いているが、世の中にはテキストというには甚だおかしい文章がたくさんあるのも確かである。
上記のリンクの論争は結局、小飼弾のブログの価値に関して、なじり合いの喧嘩をしているだけのような気がしてくる。
また、僕の意見では、テキストもテキストブックもどちらも必要であり、ネットの情報も本の情報も、良いところを取り込んで生かしていけばよいのである。(よって基本的には小飼弾を擁護)

ちょっとはずれるけど、いかにネットに蔓延するテキストとしての価値がほとんどないような無駄な情報に流されずに情報収集すればいいかについて考えてみた。

ところで、日常的に私たちは情報収集するとき、二つのやり方があると思う。
ア、知りたい情報が明確になっており、得たい情報の目的を持って情報収集する
イ、(テレビのニュースを見るように)得たい情報の目的を持たずに情報収集する

一般的には、、、
                     【本】     【ネット】
情報の価値                 優        劣
アクセスの早さ               劣        優
情報が最先端か               劣       優
ユビキタス                 劣        優
情報の性質               よりpublic   よりprivate
情報の根拠がしっかりしているか       優      劣
他のサービスとの併用(メール等)      無        有
調べる労力                 有        無

アの場合、得たい情報が一過性のものか、長期にわたってのものかで、情報収集の仕方が変わってくる。
イの場合、労力はかかるが、自分が全く知らないような情報を手に入れる場合は本を利用した方が良いことがわかる。この場合は小飼弾が述べるようなテキストブックを積極的に活用して知識を仕入れていくべきである。未知のことはpublic→privateの方がよっぽど能率が良いケースが多い。
勝間和代がよく言っていることがあるが、本を大量に流し読みすることは良いと思う。コストはかかるが、ネットよりも労力がかからない最善の方法なのかもしれない。

よくあるケースとして、私たちは調べる労力を厭うあまり、イのケースに関しても、ネットでばかり情報収集してしまうということがある。それを繰り返すことによって、根拠がしっかりしていないネットの情報の波に埋もれてしまい、根拠を求めないような情報収集に慣れてしてしまう。そのことに対して警鐘を鳴らしている書籍がたくさんあるが、まさにその通りである。

たとえば

フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)

フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)

また、テレビはネットよりも前頭葉が働いていないという点でとても危険な上に、万人受けするような、実は視聴率をとりすぎないような(コストパフォーマンスの関係で)あたりさわりのない情報を発信しているものが多く、イのケースでテレビを見るのは、ニュースなど信頼のおけるものだけにした方が良い。