モロッコで断食(ラマダーン) たかのてるこ

こちらの方が書かれていることが多少しっかりしていて心にとまることが多かった。フレーズをピックアップしてみる。

就職が内定してからというもの、私は自分が決まったレールの上に乗っかってしまったような気がしてならなかった。いったん”社会”という枠組みに取り込まれると、自分という人間が小さくまとまってしまうんじゃないかという漠然とした不安を抱いていたのだ。

たしかに就職が決まってから、自分が決まったレールの上に乗ってしまったという感じはした。そして私もそのことは旅をするモチベーションとなった。
これは「社会」という枠組みの中で、「会社」というレールは先が見えず、延々と続いている(区切りが見えない)初めての人生における経験だからではないか

ユダヤ教にとっての聖典旧約聖書だよ。で、キリスト教にとっての聖典新約聖書旧約聖書イスラム教にとっての聖典コーラン旧約聖書なんだ

ベルベル人(モロッコに住んでいる、オーストラリアのアボリジニみたいな人たち)と具体的な対話の中でこのようなフレーズが出てきたことがなかなか興味深かった。
私も今年の春にモロッコを10日間ぐらい旅をして、サハラ砂漠の奥深くまで(モロッコアルジェリアの国境まで)ベルベル人と一緒にいってきたのだが、ここで述べられているような深い話はできなかった。なんだかんだツアーだったし。
文中に述べられているように、ベルベル人は非常に言語能力に長けているというのは本当である。私も何ヶ国語も話せるベルベル人を何人も見た。ただ、彼らはverbalに長けていて、物書きは非常に不得意である。
ところが、彼らの外国語はとてもうまい。このことは、赤ん坊がすぐに母国語を音声からマスターするように、外国語を習得する王道なのかもしれない

fast=断食の意味。 breakfastとは断食を断るという意味。つまり、キリスト教イスラム教はユダヤ教が派生してできたものであるが、キリスト教イスラム教のように断食はしないということ

目からうろこな話


!一人旅をしに来たというのに、私はどうしてこうもパートナーを次々にかえ、旅を続けているんだろう。
でも、それをいうなら、人生も同じなんじゃないだろうか。小学校のときの友達、中学校のときの友達、高校時代の友達、東京に出てきてからの友達、バイト先の友達・・・
ある時期、毎日のように会っていた人たちなのに、一定の期間がすぎるともう以前のようには会えなくなってしまう。その後もずっと合い続ける友達もいれば、どちらかが引越ししてしまったりして、どこで何をやっているのかがまったくわからなくなってしまうこともある。
人間はそのときどきで、お互いが”そのとき”に必要としている人に出会い続けているような気がしてならなかった。

同感。人間は意図的に「そのときに必要としている人」に出会おうとしている(出会っているから必要となるわけではない)


イスラム教の話で。。。
僕らにとって戒律は弱い人間を強い方向に導いてくれる指針、つまり目標みたいなものなんだ。豚肉が禁止されている理由は、昔豚肉を食べたことで病気が蔓延したことがあったのが原因みたいだけどね

このあたりの話はイスラムびいきの人から聞いただけで判断するのはまずい。いろいろな人の書いた本を読んで比較検討してみたいところ



感想
この人の本は大変に読みやすくて、昔よく読んでいた原田宗徳の本を思い出した。ただ後半は恋愛に走りすぎていて、読者側がついていけない(実際最後の方はほとんど飛ばした)。
ただ旅のワクワク感、雰囲気はとてもリアルに自分の感覚とフィットしたので、そういった旅の感覚を取り戻すのにはとても良い本ではないかと思う。また、英語だけで高度な内容を意思疎通できているのはすごいと思った。それに、なかなか旅行中に出会う見ず知らずの人とここまで仲良くなれる人は珍しい

ただ、脚色は絶対入っているので注意。旅のいいところばかりをピックアップした感じだ(映画会社に勤めているというのも職業柄なのではないか)

書評 たかのてるこの二冊

読了。

いくつか自分の中で響くフレーズがあったのでピックアップしたい

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書評 自転車で遠くへ行きたい

読了。

作者が自転車に馴染みの薄いころの話から始めて、徐々に自転車に夢中になっていく過程を示しているのがすばらしいと思った。
自転車になじみがない人に対して読みやすい平易な言葉でかかれており、

作者のページはこちらである。
http://d.hatena.ne.jp/pedalfar/

これを見ると実はバリバリにアスリートな記事がならんでいるのだが、この本に関してはそんなことはない。
初心者が心がける点、必要な装備について詳しく書かれており、入門書としてはかなり良いと思う。文章も読みやすく引き込まれてしまった。

かなり個人的な意見だが、この本に関して、自転車は高価であり、初心者が手を出すには敷居が高いという事実を作者がかなり認めてしまっているのが残念。作者のような過程は普通の人がたどるとは思えない。。。。

また、普通のロードレーサー輪行(自転車を解体してポーダブルにし、電車などの公共の移動手段を使って遠くまで走りに行くこと)する話があり、ロードレーサーを解体して組み立てるやり方をWEBで調べたところ、これはかなり面倒くさそうなことなんだと感じてしまった。

ところが、私にとってこの本の中では輪行に関してのくだりが一番興味深く、旅好きな私の性分もかなり書き立てられた。
が、あまりスポーツをバリバリやりたいと思っているわけでもない私にとっては、
jiantのm4-Rのような折りたたみ自転車(簡単に崩したり組み立てたりできる自転車)がほしいと感じた。

普通の自転車根性丸出しの本よりはとてもよみやすいしかなりオススメ

自転車で遠くへ行きたい。自転車で遠くへ行きたい。

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